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以前はトレーナー教育でしか「体幹」などという言葉は使いませんでした。
専門的な用語を避け、お客様には分かりやすい言葉を選んでいました。
それが今となっては当たり前のようにお客様が使う時代になった事に驚きです。
お客様の知識量が高まっている反面、逆に情報が多く迷うのです。
昨今の質問で多いことが、やはり?「体幹」についてです。
そもそも体幹ってどこ?
ごく小さな範囲で考えれば「腹筋、背筋」となります。
広くとらえれば「四肢(腕、脚)と呼ばれる以外の部位」となります。
そうなると首や胸、上背部も入り広範囲となります。
スポーツ界では当たり前である体幹の重要性
スポーツを行うにあたり、身体の中心(背骨を中心とした軸)から力が生まれることは周知の事実です。
悪いボール投げのフォームの典型として「手投げ」であったり、「ボールを蹴る時、股関節が使えていない(膝下ばかりでける)」などの言葉が聞かれます。
背骨を軸とした回転するエネルギー、この大きな力を人間は上手く利用してスポーツしているのです。
もちろん日常生活もです。
力の源となる体幹を鍛えるのは当然なのです。
体幹とインナーマッスルの混同
これもまたまた分かりにくい言葉が並びました… 。
元来、インナーマッスルとはその名のごとく身体の筋肉の中では深部に位置します。
骨格を支えたり、回旋などの弱い動きを作ったり、呼吸など脇役的な筋肉達です。
そのお陰で、身体の表面にある筋肉が強く働いても身体の骨や関節が壊れる事がなく、滑らかな動きが可能となるのです。
イメージしてみてください… 大きなバケツを持って腕をグルグルと振り回します。
バケツを回すのは表面の大きな筋肉です。
この時、腕が吹っ飛ばないように関節を支える筋肉が必要です。
それがインナーマッスルと呼ばれる筋肉です。
この場合は肩の周囲のインナーマッスルが特に働く事でしょう。
人間はあらゆる関節で「インナーマッスル」的な筋肉が必要なのです。
こう考えると腹筋、背筋だけが大事ではないとお気づきだと思います。
ちなみに、バケツを強く振るには肩だけでなく腹筋、背筋の筋力も重要です。
ここで「上手にバケツを振り回す」事が重要で、「身体の上手な使い方」と「体幹(腹筋、背筋)」の重要性が必要となるのです。
双方筋肉ではありますが役割が違うのです。
実は!ウエイトトレーニングは立派な体幹トレーニング
ベンチプレス、スクワットの目的の筋肉を鍛える際、しっかりと身体を固定されていると思います。
これはもう立派な体幹トレーニングと言って良いでしょう。
ただ、力の入れ方が正しいか?はプロのトレーナーに見てもらうしかありません。
実際に「スクワットで腰を反りすぎて腰が痛い」は良く聞く話です。
大きな原因として、スクワットでしゃがみながら、腰が反っているからでしょう。
残念ながら鈴木もそうでした… それであればプランク(うつ伏せで肘、つま先のみをつけたトレーニング。体幹トレーニングで有名)を行う事で反り過ぎ防止のきっかけとなります。
そして、スクワットも軽目の重量でフォーム作りをする事も大切なのです。
〜まとめ〜
- 体幹は広い視点でとらえると良い。腹筋、背筋の狭い範囲ではない。
- 体幹とインナーマッスルは同じではない。
- いくら体幹を「体幹トレーニング」で鍛えても、身体の使い方が悪いとトレーニングした筋力が活かされない。スクワット前にプランクを行い体幹部分を固めたら、フォームも反りすぎてないか?を気をつける。
基本は掘り下げると、実に奥が深いのです。
■恵比寿パーソナルトレーニング専門ジム 『Mind_Body』代表
独自のトレーニング理論による姿勢、柔軟性、筋肉バランスに注視した指導を得意とする。
一般、選手、チームへの指導実績多数。